自律神経失調症

自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、内臓や器官の病変によって起きる症状ではなく、自律神経の働きの乱れによって起きる身体や心の様々な不調・不定愁訴の総称です。病院の検査ではあきらかな異常が認められず顕著な精神疾患もないものをさします。

自律神経は、呼吸、全身の血液循環、食物の消化・吸収、睡眠、体温の調節、ホルモンの分泌、免疫作用など自分の意志でコントロールできない体の活動を支配・調整している神経です。

自律神経には、活動するときに働く「交感神経」と休息するとき働く「副交感神経」の2種類があります。いわばアクセルとブレーキのように、2種類の神経がバランス良く調和して働くことにより、私たちの体は健康な状態を保つことができ、日々快適に過ごすことができるのです。

ところが、この2つの神経のバランスが崩れてしまうと、体の自動調整機能がうまく働かなくなり、様々な症状が現れて来るのです。

どんな症状が現れるのか?

  1. 「頭」・・頭痛・頭が重い
  2. 「耳」・・耳鳴り・耳のつまり感・めまい
  3. 「目」・・眼精疲労・目の乾燥・なみだ目
  4. 「口」・・口の渇き・味覚異常
  5. 「のど」・・のどの異物感・つまり感・
  6. 「心臓・血管系」・・動悸・胸部圧迫感・のぼせ・立ちくらみ・めまい
  7. 「呼吸器」・・息苦しい・息切れ
  8. 「消化器」・・食道のつかえ・胃の膨満感・食欲不振・吐き気・下痢・便秘
  9. 「手・足」・・手・足のしびれ・痛み・冷え
  10. 「皮膚」・・多汗・寝汗・冷や汗・かゆみ
  11. 「泌尿・生殖器」・・頻尿・インポテンツ・生理不順
  12. 「筋肉・関節」・・首・肩のこり・筋肉痛・関節痛・だるさ
  13. 「全身症状」・・体のだるさ・不眠・微熱・フラフラする
  14. 「精神症状」・・不安感・イライラ・落ち込み・集中力がない・やる気が出ない・記憶力・注意力の低下

自律神経失調症の原因

1、ストレス・・・仕事上のストレスや人間関係でのストレスが持続的に加わると、交感神経が活性化し、休息モードの時間になっても副交感神経への切り替えできなくなり、緊張状態が継続してしまいます。常にアクセルを踏み込んだ状態になってしまうのです。

2、生活リズムの乱れ・・・長時間の勤務や不規則な生活により、人間本来の自然な生活リズムが乱れると、本来は心身を休めないといけない時間に交感神経が刺激されてしまい、結果として自律神経のバランスが崩れてしまうことになります。

3、ホルモンバランスの乱れ・・・自律神経と深く関わっているホルモンに「甲状腺ホルモン」と「女性ホルモン」があります。女性ホルモンのバランスが崩れると自律神経のバランスも崩れますし、自律神経のバランスが崩れると女性ホルモンのバランスも崩れるという非常に密接な関係にあります。

甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激する作用があります。ですから。甲状腺ホルモン分泌に異常が起こると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れしまう事になるのです。

当院の自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療の要は、交感神経と副交感神経のアンバランス状態を正常に整えることにあります。当院で行う経絡バランス鍼灸治療は、私たちの身体を循環する、気の流れ、血の流れを調整する東洋医学本来の根本治療法です。

私たちの体には「気」という電気的な生命エネルギーが流れています。そして、この「気」の流れている通り道を「経絡」といいます。体に何らかの症状が出ている時、この経絡の流れにも異常が現れます。異常が出ている経絡の上にあるツボに鍼や灸をすることにより、経絡の流れを正常に戻してやると、その人が本来持っている自然治癒力や免疫力が働きだし健康な状態に回復していきます。

自律神経失調症では、例えばめまい・頭痛・不眠・胃の不調のように、複数の症状を抱えている人が多くいます。しかし、これらの症状は、枝葉のようなもので、大元の幹の所を整えるとそれぞれの治療をしなくても改善に向かうことが多いのです。

当院では、ごく細いはりで、浅く刺す手技が中心なので、痛みはほとんど感じません。安心・安全で心地よい治療を心がけています。